食べられる夢を見た

データ分析とデザインのあいだ

バンドの曲作りにMVVを設定しようと思う

緊急事態宣言が明けて

丸二ヶ月、在宅で勤務する日々が続いた。他人とオフラインで関わることもほとんどなくなったが、それでも日常は前に記事で書いた通り、それほど変わらずに過ぎていった。

バンド活動ができない

もともと活動的な人間ではなかったが、バンドだけはしみじみ続けていた。6月ごろにライブできたら良いねと去年の夏頃?に組んだバンドだった。数曲がやっと形になってきたところで、コロナ禍に突入した。

当初は落ち着いたらまたみんなでスタジオに入って、曲を作って、ライブをやろうと思っていたが、事態が進むにつれてそれも難しそうだという状況に気づいた。完全に終息するのがだいぶ先になりそうなこと、ライブハウスの経営が困窮していて、ライブをやろうにも場所がなくなりそうなことが一気に押し寄せてきた。

時間が経ったら全てが元通りになることを期待していたけど、前提を変えて考える必要があると思った。バンドメンバーとZoom会議(という名目の飲み会)をした結果、発信したい想いを優先してDTM向きの曲を一曲DTMで仕上げてみようということになった。DTMもほとんど経験がなければ全員在宅で集まることもできない。でも、やってみないとわからないことがあるはず、という判断だった。

"良い"とは何かがわからない問題

メンバーが真面目なこともあって、DTMでの楽曲制作は、実際にやってみると思ったよりスムーズに進んだ。iZotopeのStayHomeキャンペーン*1で装備もいきなり強いものが手に入ったことにも助けられた。が、ミックスとかマスタリングとか、今まで全く考えたこともなかったテーマにぶつかり一気にスピードが落ちた。何のパラメータがあるのかの理解が浅く、一つ調整するともう一つが気に食わない感じになって、それを繰り返した結果何が良くて何が良くないのかがわからなくなってくる。前のものに戻した方が良いのではないかとすら思う。

そうだ、MVVを作ろう

曲作りでも同じことが起こる。それも、頻繁に。

こっちのリズムにこういうギターを載せた方が良いのではないか、このパートは2倍の長さにした方が良いのではないか、議論を重ねることで良くなっていくが、確かに良くなってはいくのだが、ビシッと決めるのが難しい時もある。一応リーダーをやってはいるが、僕は自分の意見に自信があるタイプではない。決めることには勇気がいるのだ。

一貫した判断基準が欲しいと思った。感性の世界で何かを作る上での基準。時間が経って振り返っても、その判断の根拠として立ち戻れる基準。

ちょうど本業で中長期の戦略を考えるプロジェクトに参加していた。MVVという言葉の重要さを肌で感じ始めたときだった。規模も目的も全く違えど、バンドも同じ時間を共有して何かを形作る複数人の"組織"じゃないかと思った。そうだ、バンドでもMVVを作ろう。

まずはMissionから?

一般的に、MVVは以下のように定義される。

  • Mission : 存在意義
  • Vision : ありたい姿
  • Value : 行動指針

MVVを策定する際、通常Missionから決めていくのが良いはず。そりゃそうだ、上位概念だもんな。と思いつつ、趣味でやっているバンドに社会的な存在意義を打ち立てるのもおかしな話なので、Visionから考えてみることにした。

  • Vision : 自分たちが良いと思う音楽をやりたいようにやって、結果的にそれを良いと思ってくれる人たちがいる姿

次にValue。個人的にはここが一番大事で、一番難しい。今までにしてきた決定を振り返り、言語化してみた。

本当は一言でまとめるのが良さそうだが、文章になってしまった。Idea DrivenとかAssociation Focusとか、英語にしても良いが意味が伝わらなくなりそうだし自分の心の拠り所にするだけなのでいったんこれで良しとした。

共有認識にするか否か

さらっと話したことはあったかもしれないが、バンドメンバーに正式に伝えたわけではない。直接会ってゆっくり話ができるときが来たら、MVVの話もしてみようと思う。きっと面白がって、良い感じに批判してくれるはず。そういう関係性を期待して、僕は今のメンバーを集めたのである。

*1:【無料】iZotope Ozone 9 Elements が期間限定で無償配布中!制作全般含め、このブログには本当に助けられました