確信
初回の授業では、LGBTをテーマとして扱いました。参考映像もいくつか見たのですが、その中で凄まじい作品がありました。
恋する10代LGBTへ、とタイトルにある通り、たしかにテーマ的にはそういった内容。作者はアーティストの井上涼さんで、他にもびじゅチューンなんかも手掛けています。制作のほとんど全てを一人でやっているらしく、なるほど独特な雰囲気。
音楽的には軽くて、なんだったらへなちょこな歌声にも思えますが、伝わってくるのは大きな大きなエネルギー。極めてアート的な表現にも関わらず、圧倒的に伝わってくる。
井上涼さん自身もゲイであることを公表しており、限りなく体験談に近いテーマなのかもしれません。
「確信」というタイトルも不思議なもので、最後の最後に「頼りない確信ひとつ」という一説が登場します。"頼りない"のに"確信"とはこれいかに。
最近だと、折坂悠太というアーティストをよく聴いています。
どういう文脈で登場した方なのか詳しくは存じ上げないのですが、これだけ日本語ど真ん中で、日本語をストレートに表現したアーティストが久しぶりな気がしたのですっかり虜になってしまいました。中でも逢引という曲がお気に入りで聞いています。日本語シャンソンのような、メロディと日本語のおさまりがとても良い感じです。
日本語で、音楽に真っ向から臨んでいったのははっぴいえんどの功績が大きいと言われていますが、その当時以前を思い出すように解釈すると折坂悠太みたいになるように思います。逆に、現代的に解釈するとゲスの極み乙女のようになるのかなと。
同一文脈上にいるとはなかなか語られづらいこの二者だと思いますが、僕は敢えて、折坂悠太とゲスの極み乙女は同じジャンルだと主張したいです。
確信という曲のエネルギーも含め、いずれにせよ日本語音楽の奥深さを改めて実感する日々です。