一発屋と出会い系
長期休みは気合入れないと持て余すということがわかってしまった。年末年始はどこぞへと旅行にでも行こう。
ということで、読みたかったけど読めていなかった本をざざっと。
電子書籍の数え方は1冊2冊で良いのかは置いておいて、1冊目はこちら。
言わずと知れた?かのお笑いコンビ"髭男爵"の貴族の方こと山田ルイ53世が綴った"一発屋芸人"たちのリアル。皮肉カラメ愛情マシマシで語られるエピソードは涙なしでは読みきれない。
普段我々の前では自虐的で、いじられやすいような振る舞いをしがちな芸人の方でも、一度バックグラウンドを紐解けば試行錯誤の色が見える。親近感も湧き、笑いの質も変わってくるのではないだろうか。
中でも、コウメ太夫氏について書かれた一節は秀逸。"できない"から面白い、ルールを変えた瞬間に王者になる芸人というくだりは感動すら覚えてしまう。
桃山商事の清田代表に読んでもらって、ぜひ感想を聞きたいなぁ。恋バナ要素は一切なしだけど。
そして、2冊目はこちら。この本はまさにその桃山商事の清田さんが勧めていて興味を持った記憶。
出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと
- 作者: 花田菜々子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2018/04/17
- メディア: 単行本
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あらすじはほとんどタイトルの通り。敢えてこちらのフィールドから解釈すると、ナナメウエの存在とたくさん出会いながら、自分の好きなことと、ひいては自分自身と向き合う話。
家庭とも、仕事とも違う価値観で過ごす"赤の他人"と出会い系サイトをきっかけにつながり、自分の好きなことである本をすすめる。時には苦戦しながら本をすすめることにもなるが、そのプロセスから学ぶことがある。
何より、人とつながるって、大変なこともあるけど、ものすごく大きなエネルギーを生むことが"本を薦める"特技を軸に描かれていた。
たまたま選び、同タイミングで読んだ2冊だが、"失敗とは何か"が共通点として浮かび上がる。一見すると、スベることや離婚が失敗とも受け取られそうだが、ルールを変えるとそんなことは(こんな言い方も乱暴かもしれないが)失敗に分類することは出来ないと感じる。
本人の受け取り方と、周りの受け入れ方。そのすり合わせとギャップに面白さの妙がある2冊に出会えてよかった。